どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
本日、テレビで藤原竜也さん主演の実写映画『僕だけがいない街』が放送されます。本作は、三部けいの同名漫画を実写化したもので、「リバイバル」と呼ばれるタイムリープ能力を持つ主人公が、過去に遡って謎の事件を解決するミステリータッチのSFサスペンス作品です。
今回の実写映画版はラストが原作とは異なっており、観た人の評価も賛否両論…というか否定的な意見の方が多かったようで、公開時には「終盤の展開が矛盾している」とか「あのラストはおかしい!」などの批判が噴出した模様。
僕自身は映画を観て、たしかに違和感があったものの後に原作を読み、「ああ、こういう話だったのか!」と本来の展開を知ることで、それなりに納得できました(映画版に疑問を感じた人は、ぜひ原作漫画版を読んでみてください)。
どうやら、この実写版を撮影している時はまだ原作が完結していなかったので、オリジナルの展開になったようですねえ。ちなみに本作を観て、「主人公が過去や未来に移動する映画」は古今東西色んなパターンが作られてるけど、意外と観逃してる作品も多いんじゃないかなーと思ったりしました。
そんなわけで本日は、「主人公が過去または未来に移動する映画」の中で「これは観ておいて損はないだろう」と個人的にオススメしたい映画をいくつか取り上げてみましたよ(なお、この手の映画の代表格『バック・トゥ・ザ・フューチャー』については、たぶん全人類が観ていると思うので(笑)、敢えて除外しています)。
●『バタフライ・エフェクト』
あらすじ「大学生のエヴァン(アシュトン・カッチャー)は、ある日、子供の頃に書いた日記を見つけ、自分にタイムリープ能力があることに気付く。その後、自殺した幼馴染のケイリー(エイミー・スマート)を救うために、何度でも過去へ戻るエヴァンだったが…」
タイムトラベル映画にはいくつかのバリエーションがあって、自分の肉体そのものが過去に移動する場合を「タイムスリップ」、そして心だけが過去の自分の体へ移動する場合を「タイムリープ」と呼ぶそうです(『僕だけがいない街』もこのパターン)。
そして『バタフライ・エフェクト』も、自分の犯した過ちのせいで不幸になってしまったヒロインを助けるために、主人公がタイムリープ能力を使って子供の頃の自分へ戻る物語です。ところが、なぜか何度やっても上手くいきません。
ヒロインを助けようとすれば他の誰かが不幸になり、それを修正するためにまた過去へ戻って…ということを何度も何度も繰り返すんですよ。そして度重なるタイムリープを経て、最後に主人公が下した決断とは…。まさに「最も切ないハッピーエンドの物語」というキャッチコピー通りの映画でした。
●『デジャヴ』
あらすじ「543名もの犠牲者を出した凄惨なフェリー爆破事件の謎を解明するため、捜査官ダグ(デンゼル・ワシントン)はある装置を使って”4日と6時間前の世界”を見ることに。そこで明かされる驚愕の事実とは…!」
この映画が面白いのは、前半が「フェリー爆破事件の犯人を捜す」という普通のサスペンス映画なのに、後半から突然「SF映画」に変わってしまう点でしょう。
”スノーホワイト”という最新鋭の監視システムを使って事件を捜査するところまではギリギリ現実性を維持していますが、それ以降の展開がいきなり非現実的な世界へシフトするんですよ。「1つの映画で2つのジャンルを楽しめる」という、ある意味楽しい作品です。
●『ミッション:8ミニッツ』
あらすじ「”ソースコード”と呼ばれる謎の装置に繋がれたコルター(ジェイク・ギレンホール)は、列車爆破テロの犯人を突き止めるため、爆発直前の8分前に戻って捜索していた。しかし、やがて彼はこの極秘ミッションに仕組まれた恐るべき真相に辿り着く…!」
『バタフライ・エフェクト』と同じく、「心だけが過去へ移動するタイムリープもの」なんですけど、面白いのは”他人の体”に移動している点。そしてもう一つのポイントは、「全く同じ時間へ何度も戻る」という点なのですよ。
列車を爆破した犯人を見つけようと必死で頑張る主人公ですが、時間がたったの8分間しかないため、失敗するとまた最初からやり直し。こうして何度も何度も同じ時間を繰り返すわけです。
しかし、主人公の行動によって周囲のリアクションが少しずつ変化していき、やがて予想外の結末を迎える…という展開は非常に見応えがありました。
●『LOOPER/ルーパー』
あらすじ「未来から送られて来た人間を始末する殺し屋”ルーパー”のジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、ある日、いつものようにターゲットを抹殺しようとしていた。だが送られて来た男は、なんと30年後のジョー(ブルース・ウィリス)だった!」
なぜか30年後の自分を殺さなければならなくなった主人公の葛藤を描いた本作。ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスが同一キャラを演じてるんですが…似てるかなあ?w
それはともかく、「なぜそういう状況になってしまったのか?」を解き明かす過程が実に面白く、最終的に事態を解決する手段として主人公が選んだ方法に「おお〜!」となりました。
●『恋はデジャ・ブ』
あらすじ「TVの人気キャスターのフィル(ビル・マーレイ)は、ある日、目覚めると”昨日と全く同じ状況”が繰り返されていることに気付く。永遠に続く2月2日にうんざりするフィル。やがて彼は仕事仲間のリタ(アンディ・マクダウェル)に好意を抱き…」
『ミッション:8ミニッツ』と同じく「繰り返し系」の物語です。ただ、コメディなので気楽に楽しめる点と、ラブストーリー的にも優れている点が面白い。
●『プリデスティネーション』
あらすじ「1970年、ニューヨークの酒場に現れた青年ジョン(サラ・スヌーク)がバーテンダー(イーサン・ホーク)に奇妙な身の上を語り始める。それは予測不可能なドラマの幕開けだった…。SF界の巨匠ロバート・A・ハインラインが仕掛けた究極のタイムパラドックス!」
いや〜、これは凄い映画ですよ!基本的にタイムトラベル映画はラストに意外な展開が待ち受けているものですが、本作の場合は意外すぎ&何を書いてもネタバレしそうで何も書けません(笑)。まだ観ていない人は、絶対にオチを知る前に観た方がいいでしょう。驚愕間違いなし!
●『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
あらすじ「謎の侵略者“ギタイ”からの激しい攻撃で全人類が滅亡寸前に追い込まれる中、最前線に送り込まれたケイジ(トム・クルーズ)は開戦5分であっさり死亡。ところが、目覚めると彼は出撃前日に戻っていた。同じ日を無限にループする能力を身に付けたケイジは、世界の危機を救うことが出来るのか…!」
『恋はデジャ・ブ』や『ミッション:8ミニッツ』と同じく「繰り返し系」の物語ですが、その頻度が凄まじい。主人公のケイジは、とある事情で「死んでも以前の状態からやり直すことが出来る能力」を身に付けました。
しかし敵が強すぎて全然攻略できず、何百回、何千回も死にまくるのですよ。まさに「残機一つのみで激ムズゲームをクリアーせよ」と命じられた孤独なゲームプレーヤーの心境じゃないでしょうか?普通なら、絶対に途中で心が折れるだろうなあ(苦笑)。
●『プライマー』
あらすじ「偶然にもタイムマシンの開発に成功した2人の若者は、自分たち自身でタイムトラベルの実験を繰り返していた。しかし、次第にとんでもない状況が巻き起こり…」
『バタフライ・エフェクト』は、心だけが過去の自分の体に移動する「タイムリープ」でしたが、本作は自分自身が過去に移動する標準的(?)な「タイムスリップ」です。
良くある設定なんですけど、問題は話が非常にややこしいところ。例えば主人公がタイムマシンを使って数日前に戻ったら、そこには数日前の自分がいるわけです。
自分自身に出会うと色々問題が起こるので隠れながら行動するんですが、タイムマシンを使う度に”自分”がどんどん増えていくんですよ。果たして、画面に映っている主人公はどの時間軸の主人公なのか?最後まで観ても謎が深まるばかりでした(^_^;)
●『オーロラの彼方へ』
あらすじ「ニューヨーク市警察の刑事ジョン(ジム・カヴィーゼル)は、ある日、父フランク(デニス・クエイド)の形見の無線機を発見し、ある男と交信することに成功する。だが、その相手は何と30年前に死んだ父だった!」
この映画の特徴は、「登場人物が誰もタイムトラベルしてないところ」でしょう。現代に暮らす主人公が、無線機を通じて過去の父親と会話を交わし、その父の行動によって現代の息子に影響が出る…というストーリーなんですね。
だから、厳密に言えば「タイムトラベル映画」とは言えないのかもしれませんが、とにかく「親子のドラマ」「連続殺人事件にまつわるサスペンス」「過去と現代で展開するSF物語」など、エンタメ要素が目一杯つまった正真正銘の傑作娯楽映画です。必見!
●『サマータイムマシン・ブルース』
あらすじ「とある大学の夏休み。“SF研究会”のメンバーはクーラーのリモコンを壊して途方に暮れていた。翌日、灼熱のSF研究室に突如タイムマシンが現れる。こうして”壊れる前のリモコン”を取りに過去へ向かった主人公たち。だが、予想もしない事態が彼らを待ち受け…」
日本のタイムトラベル映画といえば、『時をかける少女』が有名ですけど、こちらもかなり良く出来た映画ですよ。監督は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行、出演者は瑛太、上野樹里、ムロツヨシ、真木よう子、佐々木蔵之介など、錚々たる面子がズラリ。
タイムトラベル映画にお約束の「あの時のアレはこういうことだったのか!」的な伏線回収もバッチリだし、もともと舞台劇だったストーリーを映画に移し替え、独特のゆる〜い雰囲気が漂うSFコメディに仕上げた点も見事!まさに誰でも楽しめる鉄板のエンターテインメントと言えるでしょう(^_^)