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24時間テレビがエラいことに!恐怖の手塚アニメ伝説!

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先日、23日に俳優の高畑裕太が女性への強姦致傷容疑で逮捕された件を受け、各テレビ局は対応に追われているようですが、中でも最も迷惑を被ったのが日本テレビでしょう。なんせ、本日27日に放送される24時間テレビでは高畑裕太容疑者がパーソナリティを務め、さらにスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生 〜光を失って心が見えた〜』にも出演する予定だったのですから。

しかし今回の事件でパーソナリティはクビになり、スペシャルドラマで高畑裕太容疑者が演じる予定だった榊京太役は、人気グループNEWSの小山慶一郎さんが急遽代役を務めることになりました。とは言え、「今から再撮影してオンエアに間に合うのか?」と不安の声が上がっているようです。

ちなみに、公式ツイッターを見てみると、13日に撮影が完了し、14日から編集作業を始め、21日に完成披露試写会が開かれていました。まさかこの2日後にあんな事件が起きてしまうとは…(-_-;)

というわけで、今まさに24時間テレビのスタッフは不眠不休の突貫作業を強いられていると思うんですけど、過去にも「スタッフを死にそうな目に合わせたアニメ」が24時間テレビで放送されていた、という事実をご存じでしょうか?

それが、1978年8月27日の第1回『24時間テレビ 愛は地球を救う』で放送された手塚治虫原作のアニメ『100万年地球の旅 バンダーブック』です。当時、「世界初の2時間TVアニメだ!」と手塚先生はノリノリで仕事を引き受けたそうですが、現場で働くスタッフにとっては悪夢の始まりでした。

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まず、「2時間のTVアニメ」という時点で尋常じゃありません(厳密に言うと『バンダーブック』の尺数は1時間34分ですが)。2時間とか1時間半のアニメとなれば、それはもはや「映画」と同じスケールです。当然、映画と同程度の製作費とスケジュールが必要になるわけですけど、じゃあ劇場アニメの制作期間ってどれぐらいなのか?

内容や規模によって変わってくると思いますが、スタジオジブリの場合は1本作るのに約2年。その他のアニメ会社でも、通常は1年〜1年半ぐらいかかるそうです。短いものでも最低8カ月は必要と言われていて、『ルパン三世 カリオストロの城』が約半年という超短期間で制作された時、「日本の劇場アニメ史上最短記録をマークした」と作画監督の大塚康生さん自身が驚いたほどでした。

しかし、手塚先生の『バンダーブック』はそんな生易しいレベルではありません。なんと、放送日の2カ月前になっても絵コンテや原画がほとんど完成しておらず、制作担当デスクが「もうダメだ!」と逃げ出すほどの凄まじい状況だったのですよ。

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いったい、どうしてこうなってしまったのか?詳しい事情は『ブラック・ジャック創作秘話 〜手塚治虫の仕事場から〜 』という本に描かれてるんですけど、要するに手塚治虫が中心となって作られるはずのアニメなのに、漫画の仕事が忙しすぎて絵コンテの完成が遅れまくったから、ということらしい。

そして、やっと絵コンテが上がって作画が開始されても、手塚先生が原画にリテイクを出しまくり、ただでさえ限界ギリギリだったスケジュールがどんどん無くなり、もはや絶望的なレベルへと悪化していったそうです(放映日まで1カ月を切っているのに、まだ容赦なくリテイクを繰り返す手塚治虫に驚愕!)。

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結局、手塚治虫のこだわりによって作業はオンエア直前まで続けられ、最後の3日間はスタッフ全員スタジオに泊まり込んで完徹状態だったとか。当時、アシスタントをしていた漫画家の石坂啓は、疲労困憊のスタッフたちがビルの廊下に次々と倒れ込んでいく様子を見て、「浜辺に打ち上げられたマグロのようだった」と証言しています。

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こうしたスタッフの頑張りによって、『バンダーブック』はどうにかオンエアに間に合い、24時間テレビのコンテンツの中でも最高の視聴率(28%)を記録したそうです。この成功によって24時間テレビで手塚アニメを放映することが恒例となり、『海底超特急マリンエクスプレス』、『フウムーン』、『ブレーメン4』など、毎年2時間アニメが制作されました。

しかし、無茶なスケジュールは一向に改善されず、むしろ年々酷くなっていったらしい。最終的には、すでにテレビの放映が始まっているにもかかわらず、「前半部分をオンエアしている間に後半部分のフィルムを大急ぎで現像していた」という恐ろしい逸話が残っているほど、現場はメチャクチャな状況になっていたそうです。ヒエエエ〜!

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というわけで、今年の24時間テレビも色々大変なことになっているようですが、どうかスタッフのみなさん頑張ってください(^_^;)


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