どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて先日、金曜ロードショーで『崖の上のポニョ』が放送されました。本作は2008年に公開された宮崎駿監督の長編アニメーション映画で、興行収入155億円を叩き出すなど大ヒットを記録!
内容の奇抜さもさることながら、2004年公開の『ハウルの動く城』と大きく異なる”独特の作風”も注目されたようです。
『ハウル』の時はCGを多用し、キャラや背景に細かいディテールを描き込んで映像の密度を上げまくった宮崎監督ですが、『ポニョ』では逆に「なるべくCGを使わず手描きで動きの面白さを追求したい」と考えたらしい。
そこで、ジブリのスタッフを集めた社内説明会で以下のように宣言したのです。
濃密になりすぎた画面をすっきりさせて、アニメーションというのは動かしていくんだというところをもう一度取り戻したいと思ったのです。やっぱり最終的に人が惹かれるのは、人間が手で描いた驚きにあると思います。手で描いた”いい加減さ”とか、曖昧さとか、ある種の気分や気持ちが動きの中に出ているとか、そういうことがアニメーションの魅力の一つじゃないかと思うのです。
(『崖の上のポニョ』劇場パンフレットより)
こうして、キャラクターも背景も絵本のような柔らかいタッチで描き、「全体的に線を減らしてシンプルな絵にする代わりにとことん動かす」という方向性が決まりました。
その結果、総作画枚数はなんと17万枚を超え、多くのアニメーターたちが苦労したものの、非常に素晴らしい映像表現が生み出されたのです。
そんな『崖の上のポニョ』を久しぶりにTVで観ていたんですが、ちょっと気になったことがあるんですよね。
ストーリーの後半、大津波によって水没した街を小さなボートに乗ってポニョと宗介が進んでいくシーン。その途中で宗介たちは赤ちゃんを抱いた若い婦人に出会います(役名は無し)。
この女性の声を演じているのは柊瑠美(ひいらぎ るみ)さんで、柊さんといえば『千と千尋の神隠し』で主人公の千尋役を演じた人なんですが、まず気になったのは「なぜ柊瑠美さんなのか?」ってことなんですよ。
名前も付いてないキャラだし登場シーンも少ないし、別に柊さんじゃなくてもいいのでは…と思ったんですが、柊さんによるとアフレコ直前にオファーされたらしく、結構ギリギリまで宮崎監督は誰にこの役を演じてもらうか悩んでいた模様。
つまり、「誰でもよかったわけではない」「どうしても柊瑠美さんにやってもらいたかった」ということなのでしょう。その理由は何なのか?
そしてもう一つ、宗介との会話の中で「誰かと思ったら宗ちゃんね、リサさんとこの」と言ってるんです。つまり、この女性はリサのことを知ってるんですね(公式設定にも「リサの知り合い」と書いてある)。ということは近所に住んでいる人か、あるいは昔からの友達なのか…
などと考えながら『千と千尋の神隠し』を改めて観直していると、あることに気付きました。映画冒頭、千尋が抱えている花束に添えられたメッセージカードが映るんですが、そこに書かれている名前をよく見ると…
ちひろ
元気でね
また会おうね
理砂
なんと千尋の友達の名前が理砂!え?理砂=リサってこと!?そう言われてみると、カードに描かれている自画像(?)もリサっぽいような気が…。
つまりリサは千尋の友達で、子供の頃に千尋が転校して離れ離れになったけど、結婚後に(カードに書かれている通りに)再会した…ということなのでしょうか?だから宮崎監督はあの婦人役を柊瑠美さんに演じさせたかったのか!?
というわけで、実際のところはどうなのか分かりませんが、もしかすると宮崎監督の中ではこのような意図があったのかもしれませんね。