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実写映画『亜人』のラストが凄い!ネタバレ感想

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どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

先日、主演:佐藤健&監督:本広克行ら豪華スタッフで実写化された話題のアクション映画『亜人』を観て来ました(他にも、綾野剛、玉山鉄二、城田優、千葉雄大、川栄李奈、山田裕貴、浜辺美波、品川祐、吉行和子など多数出演)。

全国341スクリーンで公開された本作は、オープニング2日間で観客動員21万人、興収2億7200万円を記録し、ランキング1位を獲得。最終興収15億円以上が期待できる好スタートとなったそうです。

原作は桜井画門の大ヒット漫画でコミック累計売上500万部、さらにアニメ化や小説化、そして今回の実写映画化など、その人気は止まるところを知らず、現在も『good!アフタヌーン』(講談社)にて絶賛連載中。

そんな『亜人』に関して僕がどれぐらい知っているか?というと、アニメ版の方は観てないんですが、原作はコミックスの最新刊までを全部読んでいて、まあ割と好きな漫画です(「メチャクチャ大好き!」ってほどではないけれど)。

で、内容の方は、「”亜人”と呼ばれる死なない人間(厳密に言うと死んでもすぐに生き返る人間)が日本政府に対してテロ行為を仕掛け、政府側の亜人(主人公)と壮絶な戦いを繰り広げる」というストーリーです。

「主人公が不死身」という設定なら他の漫画でも見かけますが、本作はそれに加えて「IBM」と呼ばれる”黒い幽霊”を出現させ、人間や亜人と戦わせるなど、バトルシーンにも工夫を凝らしている点が特徴なんですよ(要するに『ジョジョ』のスタンド的なアレねw)。

なお今回の実写版は、原作単行本の9巻ぐらいまでを元にしていますが、現在コミックスは11巻まで出ていて、以降継続中。つまり、まだ物語が完結しておらず、そのため全体的にオリジナルの展開が非常に多くなっています。果たしてその出来栄えは…?

というわけで本日は、友人の江須田君(仮名)と『亜人』を観に行ったので、面白かったのかどうなのか?その感想を互いに語ってみたいと思います(なお、江須田君は原作もアニメも一切見ていません)。


■あらすじ『病気の妹を救うために研修医となった永井圭(佐藤健)は、ある日、事故で死亡。しかし直後に”亜人”として生き返る。国家に捕えられ、非人道的な実験を受け続ける永井。そんな彼の前に、最凶のテロリスト:佐藤(綾野剛)が現れ、助け出そうとするのだが…。”絶対に死なない亜人”たちのエンドレス・リピート・バトルが今、始まる!』


※以下の文章はネタバレしています。未見の方はご注意ください!


管理人:さて、江須田君は漫画版も読まずに、いきなり実写版の『亜人』を観たってことなんだけど、率直に言ってどうだった?

江須田:思ってたより良かったよ。俺はあまり「漫画やアニメの実写化」は好きじゃないんだけど、これはまあまあ楽しめた方だと思う。

管理人:具体的にどんなところが?

江須田:まず「亜人の設定」がいいよね。肉体を損傷して不利な状況に追い込まれても、即座に”リセット(死亡)”すれば元の状態に戻れるっていう。普通は「いかに死なないようにするか?」を考えるもんだけど、『亜人』の世界では「いかに効果的に死ぬか?」を皆考えている。この発想はなかった(笑)。

管理人:つまり設定が斬新だと。

江須田:そう。要は「自殺=戦略」になってるんだよね。ヤバくなったら銃で自分を撃ってリセット。銃がなければナイフで首を掻き切ってリセット。で、攻撃する側は逆に「死なれちゃ困る」から、麻酔銃を使って眠らせるとか、自殺しそうになったら必死に止めるとか、対応も工夫しなければならない。そういう独特のバトル展開が面白かった。

管理人:なるほど。「失敗したら死んでリセット」っていうのは、トム・クルーズの『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でも似たようなことをやってたけど、あっちは時間を巻き戻すパターンだったからね。他には?

江須田:アクションが良かった!まさか邦画でこんなにレベルの高いアクションを観られるとは思わなかったなあ。特に綾野剛のガンアクションがヤバい!アサルトライフルのマガジンをリロードする動作とか、大勢の敵を容赦なく撃ち殺していく場面とか、最高にカッコ良くてゾクゾクしたよ。

管理人:僕も同感(笑)。なんせ本作のアクション監督は、『るろうに剣心』でスタントコーディネーターを務めた大内貴仁さんだからね。アクション自体の凄さに加え、画面構成や編集テクニックなど「アクションをカッコ良く見せる技術」に精通しているからこそ、あれ程のクオリティが実現出来たと思う。

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江須田:そういえば、佐藤健と綾野剛は実写版『るろうに剣心』でも対決してたな。

管理人:しかも大内貴仁さんは『HiGH&LOW』でもアクション監督を担当してるし、「やっぱ凄いアクションを撮る人は違うなあ!」って感心させられたよ。特に序盤の研究所襲撃シーンや、中盤の「対SAT戦」におけるガンアクションの凄まじさたるや、「日本のアクション表現もここまで来たか!」と感激すること間違いなしだよね。

江須田:あの辺は、キアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』みたいに「超至近距離から銃を撃つ」みたいなガンアクションを彷彿させたけど、やっぱ『ジョン・ウィック』を意識してるんだろうか?

管理人:う〜ん、どうだろう?ただ、「物陰から体を斜めに出して撃つ動作」とか、「SATの集団に突っ込んで行きつつ至近距離から撃ちまくる」という場面は原作にもあったからねえ。むしろ「漫画の表現を忠実に実写化した結果」と考えるべきかもしれない。

江須田:まあ、いずれにしても日本では銃をバンバン撃ちまくる、いわゆる「ガンアクション映画」自体が少ないわけだから、そういう意味でも貴重な作品だと思うよ。

管理人:おお、かなりの高評価じゃん(笑)。

江須田:でも、見どころはそれだけ。内容はもう、突っ込みどころが多すぎて、とても人にオススメできるレベルじゃない。

管理人:ありゃりゃ、厳しいね〜(苦笑)。

江須田:まず”佐藤に助けられた永井”が佐藤と対立する、その理由や描写に説得力がないよ。普通、自分を助けてくれた恩人をいきなり撃つか?「人体実験した連中は憎いけど人殺しは嫌だ」というのであれば、取り合えず佐藤と一緒にあの場を脱出して、その後「あ、この人ヤベーやつなんだ」ということに気付いて対立…という流れの方が自然じゃないかな。

管理人:あの辺の展開はほぼ原作通りなんだけど、原作ではあの前に永井と佐藤が一度会ってるんだよ。ところが、永井は佐藤の罠にはまって捕まってしまう。実写版ではそういう場面が全部カットされて、永井がいきなり捕まってるから良く分からないんだよね。

江須田:あ〜、なるほど!だから佐藤のことを信用しなかったのか。

管理人:…というより、もともと永井圭は「恐ろしいほど頭が良くて、利己的かつ合理的な性格」というキャラで、一般的な少年漫画の主人公とはちょっと違う「ヘンなやつ」なんだよ。「人格破綻者」と言った方がいいかもしれない(笑)。実写版では妹と仲が良さそうだけど、原作では「クズ」と呼ばれるぐらい嫌われてるからね。だからまあ、佐藤と対立するのも彼の中では筋が通ってるのかなと…。

江須田:実写版ではキャラの設定が変わってるってこと?

管理人:かなり変更されてる。永井圭は”利己的な性格”が抑えられて、代わりに”他人を思いやる感情”が強調されてるし。原作の方は読んでて「こいつ嫌な主人公だな〜」って思うような場面が多いけど、実写版の永井は「ちょっと冷たいが普通にいいヤツ」って感じ。

江須田:いわゆる「ヒーロー映画の主人公」っぽくなったわけか。

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管理人:一方、綾野剛が演じている佐藤は、「殺戮を好むサイコパス」って部分は同じだけど、原作では幼少の頃からヤバい兆候があったのに対し、実写版では「20年間監禁&人体実験を繰り返された結果、精神が崩壊して人間を憎むようになった」というキャラに変わってる。ちょっとわかりやす過ぎるかな〜って感じだけどね。

江須田:ふ〜ん…。まあ、どっちにしても研究所での永井と佐藤のやり取りは、もう少し上手い展開のさせ方があったと思うな。あと、3年前にも佐藤に襲撃されて田中(城田優)を奪われてる割には、いくらなんでも研究所の警備が手薄すぎるだろ。なぜ「また佐藤が来るかもしれない」ってことを想定してないんだ?「懐かしいねえ」とか言って内部の様子も知り尽くしてるし、せめて場所ぐらい移動しとけよ!

管理人:確かに(苦笑)。

江須田:それから後半、永井が戸崎(玉山鉄二)と対話するシーンも気になった。永井の方から戸崎に取り引きを持ちかけてるけど、あの段階では「永井が佐藤とグルになっている可能性」もあったはずじゃん?でも、その後の会議シーンで誰もそれを指摘しないんだよね。どう考えてもおかしいだろ。車の中でたった数分喋っただけで仲間にするなんて、どんだけ永井のことを信用してるんだ?って話でさ。

管理人:これもねえ…。原作では彼らが共闘するまでに色んな紆余曲折があるわけよ。実は戸崎には病気の許婚(いいなずけ)がいて、それを知った永井が病院まで乗り込んで取引きの材料にしたりとか…。実写版ではその辺を端折って話を進めてるから、えらく物分かりがいいように見えちゃってるんだよね(苦笑)。

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江須田:で、永井たちが共闘した後、車椅子に乗った千葉雄大がビルに入って行くシーンが映るじゃん。あいつ亜人だろ?何で簡単にチェックを通過出来たの?佐藤たちの襲撃を警戒してセキュリティーを強化していたはずなのに。IDカードまで持ってたけど、あれも偽造したのか?

管理人:ああ、奥山ね。彼は途中から佐藤グループに合流した亜人で、”ITエンジニア”って設定なんだけど、あの会社(フォージ重工)の社員なんだよ。

江須田:え?

管理人:厳密に言うと、例の作戦を実行するために内通者の手引きによって、あらかじめ中途入社してたの。当然、IDカードも偽造じゃなくて本物。だから、どんなにセキュリティーを強化しても、堂々と正面からビルに入れるってわけ。

江須田:は〜、なるほどねえ。

管理人:まあ、映画ではそこまで詳しく描いてないから、単にIDカードを偽造しただけかもしれないけど。

江須田:あと気になったのは、話の途中で何度もしょーもないギャグを挟んでくるじゃない?はっきり言って全然面白くないよ。何なのあれ?

管理人:それは僕も思った(苦笑)。あの辺は、たぶん本広克行監督のセンスじゃないかなあ。本広監督は『踊る大捜査線』シリーズでも毎回ギャグを仕込んでたけど、正直『亜人』の世界観には必要ないよね。品川祐や今野浩喜みたいな”お笑い芸人”が何人も出演しているから、余計にコントみたいに見えちゃってるし。

江須田:何度も出てくるヒカキンもウザかった。

管理人:いや、それはヒカキンのせいじゃないから(笑)。

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江須田:それから、あのビルの社長室に東京を死滅させる程の強力な毒ガスを保管してるって、そんなバカな設定ある?もっとちゃんとした場所に保管しろよ!危険すぎるわ!

管理人:あれは実写版のオリジナル設定です(笑)。ビックリしたのは、部屋のド真ん中に変な形の金庫が置いてあって、スイッチを押すと毒ガスがニュ〜っとせり上がってくるシーン。あれを見て、「何のための仕掛けなんだろう…」と思ったよ(笑)。

江須田:俺が驚いたのは、ラストの液体窒素をぶっかけて凍らせるヤツ、あれって完全に『ターミネーター2』のパク…

管理人:やめてさしあげろ(笑)。

江須田:いや〜、まさか26年前の映画のネタを、今さらパクるとは思わなかった(笑)。あと、復活した永井が窓をブチ破って飛び出すシーン、CGがメッチャ雑じゃなかった?何であんな映像になったんだろう?

管理人:わかんないけど、多分スケジュールの問題じゃないかなあ。CGを作り込むには時間と予算が相当かかるので、作業終盤で時間も予算も足りなくなった、ということでは?もしDVDが発売される際にあのシーンが修正されたら、間違いなくそういうことだよ。

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江須田:さて、俺の感想はこんな感じだけど、お前はどうだった?

管理人:まあ、だいたい似たようなもんだね。僕は原作を読んでたんで、多少変なシーンがあっても「たぶん裏でこういうことが起きてるんだろうな」と脳内で補完しながら観てたから、ある程度は納得できたけど、ただ「笑い」を多用しているところとか、展開を端折っているところはちょっと…。あと、「原作の面白さ」っていうのは、佐藤と永井の「頭脳戦」も見どころの一つなのに、あまり頭が良さそうに見えなかった点も残念。”格闘”や”銃撃戦”などのアクションシーンは本当にカッコ良かったけどね。まあ「漫画の実写化」というカテゴリーの中では、割と良く出来ている方だと思うよ。

江須田:なるほど…。ところで、全裸で逃げ出した永井はあの後どうなるんだろう?”黒い幽霊”で上手い具合に下半身を隠してたけど、良く考えたらあれって普通の人間には見えないから、完全に丸出し状態だよなあ。どうすんの?

管理人:知らんがな(笑)。


小説 映画 亜人 (KCデラックス)
松田 朱夏 瀬古 浩司 山浦 雅大
講談社 (2017-09-07)


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