■あらすじ『1945年の長崎。日本軍の捕虜となっていたウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)は原爆の衝撃から青年将校・ヤシダを助ける。それから数十年後、カナダの山奥で孤独に暮らしていたウルヴァリンのもとへユキオ(福島リラ)が現れた。彼女は大物実業家となったヤシダの使いで、誘いを受け日本を訪れることに。だがヤシダは病魔に冒されており、「お前を不老不死の生き地獄から解放してやろう」と告げ死去。そして葬儀の中、ヤクザ軍団の襲撃を受けたヤシダの孫娘マリコ(TAO)を守って、東京から長崎へ逃避行する。やがて愛し合う関係になったマリコとウルヴァリンだったが、ヤシダの言葉通りDr. グリーンによって体の回復能力を奪われ、本来の力が出せなくなってしまった。満身創痍のウルヴァリンの前に、マリコの父親シンゲン(真田広之)や忍者軍団、そして最強の「シルバーサムライ」が立ちはだかる。心身に凄まじいダメージを負ったウルヴァリンは、愛する人を守ることが出来るのか…?最新作「ローガン」のジェームズ・マンゴールド監督が贈るアクション超大作!』
どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
本日、「金曜ロードSHOW!」で『ウルヴァリン:SAMURAI』が地上波で初放送されます。本作は、『X-MEN』シリーズの人気キャラ:ウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ作品で、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に続く第2作目です。
ただ、前作『X-MEN ZERO』が『X-MEN』(2000年)の前日譚だったのに対し、この『ウルヴァリン:SAMURAI』は時系列的に『X-MEN:ファイナル ディシジョン』の後の話になるため、少々ややこしいんですよね。
しかも『ファイナル ディシジョン』の最終決戦において、ウルヴァリンは愛するジーン(ファムケ・ヤンセン)を自らの手で殺さなければなりませんでした。その罪悪感に悩まされ、いつも以上に暗いキャラになっているのですよ。
ちなみにこの『ウルヴァリン:SAMURAI』、当初は『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督が撮る予定で2011年3月から日本ロケを計画していたようですが、11日に発生した東日本大震災の影響で降板、代わってジェームズ・マンゴールド監督がメガホンをとることになりました。
その後、ヒュー・ジャックマンのスケジュールに合わせて計画が見直され、2012年8月から日本での撮影が始まったとのこと。そんな本作は、ウルヴァリンが戦時中に長崎で日本軍の捕虜になっているシーンからスタート。時は1945年、まさにB29から原爆が投下されたその瞬間、彼はヤシダという日本兵の命を助けます。
そして終戦後、大物実業家となったヤシダが「死ぬ前にもう一度会いたい」とウルヴァリンを日本へ招きました。来日してヤシダの大豪邸に着いたウルヴァリンは、いきなり風呂場へ連れて行かれ、2人のおばさんにゴシゴシと身体を洗われます。
海外映画を観ていると、「日本を訪れた外国人が美しい日本人女性たちに優しく身体を洗ってもらう」という描写が出て来ますが(『007は二度死ぬ』など)、ウルヴァリンの扱いは結構雑ですね(笑)。あまり気持ち良くなさそう(^_^;)
久しぶりの再会も束の間、ヤシダが死亡し、葬儀のシーンは港区芝公園にある「増上寺」でロケ。当時はスタッフ・エキストラ含め400名以上の大規模な撮影隊が組まれ、非常にハードなスケジュールだったらしい。
このシーンでは、タトゥーだらけのお坊さんやヤクザ軍団に襲われ、ヤシダの娘マリコを守りながら必死で戦うウルヴァリンの姿や、福島リラ演じるユキオのアクションなどが描かれています。
増上寺から逃げ出したウルヴァリンとマリコは、パチンコ屋の店内を通って秋葉原や上野など、外国人にウケそうな街を歩き続け、いつの間にか新幹線に乗車(外国映画にはよくパチンコ屋が出て来るなあw)。
しかし、そこへ追いかけて来たヤクザが現れ、ウルヴァリンと戦闘開始。猛スピードで走る新幹線の屋根の上で凄まじいバトルを繰り広げる二人の男!…ってウルヴァリンはミュータントだから分かるんですが、なんでヤクザがこんなに強いの?
そしてどうにかヤクザを撃退し、新幹線を降りてマリコとラブホテルへ逃げ込むウルヴァリン。実は「ラブホテル」という施設は日本特有のものらしく、外国人にとっては珍しいそうです。
もちろん海外にもモーテルはありますが、普通の安宿と大差ありません。しかし、日本のラブホは外観や設備が一般のホテルと明らかに異なっており、こういうタイプの宿泊施設は外国ではほとんど見かけないらしい。それ故に関心が高いのでしょう。
その後、ウルヴァリンは長崎まで移動し、路線バスを乗り継ぎながらマリコの隠れ家へ辿り着きます。この辺の風景は、劇中では長崎になってますが、実際は広島県福山市の福山駅や鞆の浦などで撮影されたそうです。
しかし、滅多に有名人なんて来ない田舎町に突然ハリウッド俳優が現れたものだから、ロケ現場には大勢のギャラリーが押し寄せパニック状態に!福山市内を歩くヒュー・ジャックマンの姿が目撃され、様々な写真がネット上にアップされました。
で、ウルヴァリンは拉致されたマリコを助けるために「忍者の里」へ向かいますが、山奥の村に着いたら一面に雪が積もってるんですよ。長崎では初夏の雰囲気だったのに、いったい季節はいつなんだ???
色々あってシンゲン(真田広之)を倒したウルヴァリンは、死んだと見せかけてシルバーサムライになったヤシダと戦い、何とか勝利を収めました。そしてラストは、空港へやって来たウルヴァリンの前にマグニートー(イアン・マッケラン)とプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)が現れ、次回作『X-MEN:フューチャー&パスト』の前フリをして以上終了。
ちなみに、この場面でウルヴァリンが驚いているのは前作(『X-MEN:ファイナル ディシジョン』)でマグニートーが能力を失い、プロフェッサーXは死んでいるから。そして、この2人に誘われたウルヴァリンは次回作の『フューチャー&パスト』で共に戦う…という流れになるわけで、その2作品を観ていないと意味がよく分からないんですよねえ(^_^;)
というわけで『ウルヴァリン:SAMURAI』の印象を一言で表すと「ヘンな映画だなあ」としか言いようがないんですが(笑)、ヤクザ・忍者・パチンコ・ラブホテルなど、「外国人が思い描く日本の文化や風景」を忠実に映像化していて、これはこれで面白いと言えなくもありません。
それにしても、昔から「日本を舞台にした外国映画」はいくつも作られているのに、いつまで経ってもまともな日本が描かれないのは何故なんでしょうか?日本がどういう国か、そろそろ海外の人も分かってると思うんだけど…。こういうのって「もう仕方がない」と諦めるしかないんでしょうかねえ(^_^;)
日本を舞台にしたヘンな外国映画は他にもありますw