どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
長かったゴールデン・ウィークも終わってしまいましたが、皆さんどんな連休をお過ごしだったでしょうか?僕の方は、帰省していた友人たちと久しぶりに会い、話がはずんで夜の街を飲み歩き、うっかり終電を逃して朝までカラオケ屋で歌いまくるという、社会人とは思えぬダラけた休暇を過ごしてましたよ、トホホ。
そんな中、近所で『エヴァンゲリオン展』というイベントが開催されていたので、ちょっと行って来ました。元々、この展覧会は4〜5年前から東京や大阪などの主要都市を中心に全国を巡回してたんですが、僕の住んでいる田舎には今頃になってようやく回って来たわけです(今さらですけど悪しからずw)。
さて、総監督の庵野秀明氏と製作会社カラーが監修したこのイベントでは、超人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(『新劇場版』も含む)で使用された原画や動画、絵コンテ、イメージボードなど、貴重な未公開資料を約300点も展示。
さらに、テレビシリーズのセル画や、キャラクターデザイナーの貞本善行氏が描いた漫画版『エヴァ』の複製原画まで展示しており、作品総数はなんと1300点以上という凄いボリューム!これら膨大な資料によって、大ヒットアニメが生み出された過程を詳しく知ることが出来る、というわけです。
しかし、実際に見てみると予想していたよりも遥かにマニアックな内容で驚きました。普通、アニメの展覧会といえば、劇中のシーンを描いたイラストを展示するとか、あるいはセル画や背景画とか、せいぜいメカやキャラクターのフィギュアを飾る程度だろうと思ってたんですよ。
ところが、『エヴァンゲリオン展』では(セル画やイラストもありますが)大量の原画が壁一面にびっしりと貼り付けられてるんですね。これはビックリ!ちなみに「原画」とは、動きのポイントになる絵のことで、アニメーション制作において重要な役割を果たす工程です。
例えば、「座っている人の絵」と「立っている人の絵」を描き、2枚の絵を連続で見せれば残像効果で「座っている人が立ち上がる動き」を表現できるわけですよ(もの凄く大雑把ですけどw)。この2枚の絵を「原画」と呼び、原画と原画の間に入る絵を「動画(または中割り)」と呼びます。
今回の展覧会ではこの原画と動画を大量に展示していて、さらに作画監督がアニメーターの描いた絵を直した「修正原画」まで飾ってるんですよ。マニアックすぎる!いや、僕はアニメの作画が大好きなので、こういう展示は非常に嬉しかったんですが、普通の人が見ても良く分からないんじゃないかなあ(^_^;)
ちなみに作監が原画を修正する場合、アニメーターが描いた絵の上にもう一枚紙を乗せて、「必要な個所だけ修正する」パターンが多く、例えばアスカの目だけを直すとなったら、修正原画には目のパーツだけが描かれているわけです(元の原画と比較することで「ああ、この部分を修正したのか」と分かる)。
しかし今回の資料では、修正箇所がかなり広範囲に及んでいて、パーツだけでなく1カットを全面的に描き直した「全修」の原画も数多く展示されていました。元の原画では幼い印象だったアスカの顔が、修正原画では大人っぽいシャープな表情になっていて「ずいぶん変わったんだな〜」と驚いたり。
ただ、思っていたよりもキャラの絵が少なかったような気がします。物が爆発するエフェクト作画とか、「水飛沫」の原画を1枚1枚展示しているのを見て「なんて細かい作画なんだ!」と感心させられたりしたものの、意外とキャラの原画は多くなかったですねえ。
もっと碇シンジや綾波レイなどの絵が並んでいれば、キャラクターのファンも楽しめると思うんですよ。でも、「爆風で吹っ飛ばされる民家」の原画が何十枚も並んでいたり(屋根瓦も一個一個描き込まれた力作)、そういうのを見ても作画オタク以外は喜ばないんじゃないのかなと(笑)。
まあ、アニメーターが描いた原画を直接目にする機会は滅多にないので、個人的には大満足でした。普段あまり見ることが出来ないレイアウト用紙や、樋口真嗣氏が描いたイメージボードも確認できたし。さすがにタイムシートまで飾ってあったのにはビックリしたけど(^_^;)
※なお、会場内は撮影禁止のため、上記の写真は公式サイトの画像やイベント宣伝用として公開された素材を使用しております。