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『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』は面白い?つまらない?ネタバレ感想

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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者

ジュラシック・ワールド新たなる支配者


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、全国の映画館で絶賛上映中のジュラシック・ワールド新たなる支配者』を観て来ました。

本作は2018年に公開された『ジュラシック・ワールド炎の王国』の続編であると同時に、1993年の『ジュラシック・パーク』から約30年にわたって描き続けられてきた長大な物語を締め括る”完結編”でもあります。

そのため、過去作に登場したアラン・グラント博士(サム・ニール)やエリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)、イアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)らが再び集結し、オーウェンクリス・プラット)やクレア(ブライス・ダラス・ハワード)たちと共に襲い来る難題に立ち向かうのですよ。

正直、この展開は燃えますよねぇ!なんせ前シリーズ(JP)の主人公と現シリーズ(JW)の主人公がタッグを組んで戦うわけですから、ファンなら興奮しないはずがありません。当然ながら日本でも大ヒットを記録し、現時点で累計観客動員269万人、興行収入は40億円を突破しているそうです。

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者

ジュラシック・ワールド新たなる支配者

だがしかし…

先に公開されたアメリカではイマイチ評判が良くないようで、オープニング成績は『ジュラシック・ワールド』や『炎の王国』に及ばず、新3部作の中では最低の数字となってしまいました。

また、批評集積サイト「ロッテン・トマト」でも評論家の評価はわずか30%で、前作『炎の王国』の47%や1作目(『ジュラシック・ワールド』)の71%を大きく下回る結果となっています(ただし観客からの評価は77%とまあまあ高い)。

そして日本での評価もやや微妙というか、賛否両論が巻き起こっているのですよ。一体なぜ?

前作『炎の王国』のラストでメイジー(イザベラ・サーモン)が恐竜を外に逃がし、イアン・マルコム博士の「新時代が始まる」「未知の驚異の幕開けだ」「ようこそ、ジュラシック・ワールドへ」というセリフで物語は終了しました。

ジュラシック・ワールド 炎の王国

ジュラシック・ワールド炎の王国

このシーンを観た時に僕はグッときたんですよね。「なるほど!ここから本当の『ジュラシック・ワールド』が始まるのか!」と。

1作目(JW)の時点ではテーマパークの名前が「ジュラシック・ワールド」だったので、普通に前シリーズ(『ジュラシック・パーク』)と同じような意味なんだろうと思ってたんですが、そうではなかったことがここで判明するわけです。

そして次の3作目では、恐竜たちが跋扈する世界(ワールド)で人類はどのように生き延びるのか?恐竜と人間の生存を懸けた激しい戦いが繰り広げられるのか?あるいは恐竜同士の壮絶なバトルが見られるのか…?などとワクワクした人も多かったことでしょう。

ところが、『新たなる支配者』はそういう映画ではありませんでした。いや、恐竜と人間が絡む派手なバトルシーンはもちろん沢山あるんですけど、ちょっと思ってたのとは違うんですよねぇ。

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者

ジュラシック・ワールド新たなる支配者

たしかに世界中で恐竜が繁殖しているものの、「未知の驚異の幕開け」などと言ってた割には今までとそんなに状況が変わってないような…。主人公たちは普通に山小屋で暮らしているし、少なくとも「人類はもうお終いだぁ~!」みたいな絶望感はありません。

しかも、後半はルイス・ドジスンCEOが設立した保護施設「バイオシン・サンクチュアリ」へと舞台が移り、「閉鎖された空間の中で主人公たちが恐竜に襲われる」という、いつも通りの展開になっていくわけですよ。

これにはガッカリした人が多かったらしく、「結局いつもと同じじゃん!」という批判も見受けられました(『炎の王国』のラストから一気にスケールアップするのかと思ったら、最終的には狭い場所に戻って来るためスケール感はあまり変わってない)。

「変わってない」といえば、映画冒頭の映像とラストの雰囲気がほぼ同じという点も気になりましたねぇ。要は、最初に「こういう問題が起きている」という場面を見せ、本編でそれを解決し、最後に「結論」を見せる…という描写のはずなんですが、「ビフォー」と「アフター」がほとんど一緒なんですよ。

なぜかと言うと、恐竜よりもイナゴの方が大きな問題として扱われているからです。

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者

ジュラシック・ワールド新たなる支配者

本作のあらすじは、突如として大量発生した巨大なイナゴが穀物を食い荒らし、世界の食料事情に大変な影響が出始め、その原因がバイオシン社にあるのでは…と疑念を抱いたエリー・サトラー博士がグラント博士と共に調査に乗り出す。

一方、オーウェンとクレアたちは誘拐されたメイジーを救い出すためにマルタ島でカーチェイスしたり、飛行機でバイオシン社の施設(サンクチュアリ)へ向かったり、あちこちで冒険を繰り広げる…というストーリーになっています。

つまり、本作の主人公たちの”目的”は恐竜に関することではなく、あくまでも”イナゴ退治””メイジーの救出”が最優先事項なんですよ。

なので、ラストに「何となくいいことを言ってるような雰囲気のナレーション」を流して映画が終わっても、「いやいや!”イナゴの問題”をどうにかしただけで、恐竜に関しては何も解決してないやん!」としか思わなかったんですよねぇ。

これでは「結局、”新たなる支配者”ってイナゴのことだったの?」「恐竜を中心にした話を見せろよ!」みたいな批判が出るのも当然かもしれません。

そもそも、ドジスンCEOの計画があまりにもガバガバすぎて「絶対にバレるだろ!」と(バイオシン社の農作物だけがイナゴの被害に遭わない時点でエリー以外の人でも「怪しい」と思うに決まってるでしょw)。

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者

ジュラシック・ワールド新たなる支配者

このように、『ジュラシック・ワールド新たなる支配者』はシリーズの集大成であるにもかかわらず、「恐竜と人間の共存」という主題に対してはっきりした結論を出すこともなく、巨大イナゴを退治して取り敢えずめでたしめでたし…みたいな終わり方になっていたのが何とも言えずモヤモヤしました。

しかし、一体なぜこんなにイナゴが目立ってしまったのか?というと、実は理由があったようで…。

コリン・トレヴォロウ監督によると、「前のシリーズではマルコム博士がメインの話(JP2)やグラント博士がメインの話(JP3)はあったが、エリー・サトラー博士がメインの話はなかった」「そこで今回は古植物学者のエリーの活躍を描くために、まずイナゴに関するストーリーから着手したんだ」とのこと。

”イナゴ”というのは恐竜の時代から生き続けている生物で、そのイナゴが食い荒らす農作物を見た古植物学者のエリーが巨大企業の陰謀に気付く…という流れから始まり、最終的には全ての要素が組み合わさって物語を構築できると考えたらしい(以下のインタビュー記事より↓)。

realsound.jp

つまり、たまたまイナゴの出番が多くなったんじゃなくて、意図的に「イナゴがメインの話」を作ってたんですね。いや~、コリン・トレヴォロウ監督、いくら「オリジナルの”レガシーメンバー”に敬意を払いたい」と言ってもそれはちょっと…

まぁ新種の恐竜がいっぱい登場するし、カーチェイスやバイクチェイスなど派手なアクションシーンも満載で、決して「つまらない or 退屈な映画」ではありません。あらゆる場面がファンサービスに満ち溢れ、むしろ娯楽映画としての満足度は非常に高いと言えるでしょう。

ただ、イナゴの印象が強すぎて「30年近くに及ぶジュラシック・シリーズの集大成がこれ」と言われたら、正直「納得しかねる」という気持ちの方が大きいんですよねぇ(エンディングに例のテーマ曲が流れなかったのもガッカリ。流すでしょ普通、最後なんだから…)。

というわけで、『ジュラシック・ワールド新たなる支配者』は単体の映画として観ればそれなりに面白いものの、シリーズ全体を総括する映画として観た場合は「そりゃあ賛否両論になるだろうなぁ」と思いました(笑)。

 


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