どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて本日、フジテレビ系土曜プレミアムにて『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が地上波初放送されます。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』といえば、昨年10月16日から全国365館の劇場で公開されるやいなや、わずか3日間で興行収入46億円を突破!
その後も猛烈な勢いで成績を伸ばし続けた本作は、とうとう『千と千尋の神隠し』を抜いて歴代興収1位を獲得し、最終的には403億円という前人未踏の大記録を打ち立てました。
そんな超大ヒット作品が早くもテレビで放送されるわけですから、当然多くのファンが期待していることでしょう。
というわけで本日は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』をもっと楽しく観るための制作裏話やマル秘エピソードなどをいくつかご紹介しますよ。
●声優の演技に合わせた絵作り
アニメの制作現場では、声優さんが映像に合わせてセリフを吹き込むことが一般的で、これはアフレコ(アフター・レコーディング)と呼ばれる作業になります。
当然ながら、すでに絵が出来上がっているわけですから、声優さんがどんな演技をしようと、それによって何かが変化することは(基本的には)ありません。
ところが『鬼滅の刃』では、竈門炭治郎役の花江夏樹さんの演技があまりにも素晴らしかったため、花江さんの芝居に合わせて炭治郎の表情を描き直しているのですよ。
実は『無限列車編』の作画はアフレコの時点で全て完成していたわけではなく、一部は絵コンテの状態で「仮の映像」を見ながら収録していたそうです。
そこで外崎春雄監督は「花江さんが本当にいいお芝居をしてくださって、バトルシーンも泣きのシーンも気合いの入った素晴らしいものになったので、絵もそれに合わせようと思いました」とのこと。
特に煉獄さんが死んだあと、炭治郎が顔をクシャクシャにして泣きじゃくるシーンは、花江夏樹さんの見事な演技にきっちり合わせてアニメーターが1枚1枚丁寧に原画を描いたらしい(涙の粒の大きさにまでこだわったとか)。
後日、チェック用の映像データを見た花江さんは、「どこか炭治郎の気持ちと自分の想いが重なるようなところがあって、まだ映画が完成していないのに泣いてしまいました」とコメントしたそうです。
●弁当にもこだわる
煉獄さんが「うまい!うまい!」と言いながらガツガツ食べている牛鍋弁当は、リアルな映像を再現するために当時の駅弁の資料を集め、設定や色指定の担当者も気合いを入れて作画したらしい。
外崎春雄監督曰く、「ufotableは料理をテーマにした作品(『衛宮さんちの今日のごはん』等)をやったこともあり、”食事のカットは頑張らないといけない”みたいな雰囲気があるんですよ」とのこと。
ちなみに『衛宮さんちの今日のごはん』とは、作画監督の他に”料理作画監督”という聞き慣れない担当者がクレジットされているアニメで、実際に料理をしている様子を撮影し、それを参考にアニメーターが作画するなど、料理を美味しそうに描くことにこだわりまくった作品なのです。
それ故に、『鬼滅の刃』でも牛鍋弁当を美味しそうに描かずにはいられなかったのでしょう(こだわりが凄いw)。
●善逸の夢に声優からツッコミが?
下弦の壱/魘夢によって眠らされた炭治郎たちは、それぞれ違った夢を見ており、伊之助の夢では炭治郎たちが動物になって洞窟探検するという奇妙な展開に(笑)。
そして善逸は禰豆子と二人で野山を駆けるという幸せな夢を見てるんですが、禰豆子を背負って川を飛び越えるシーンについて声優さんからツッコミが入った模様。
・花江夏樹さん「好きな女の子とのデートを妄想している中学生みたいな感じで楽しそう。ただ、移動に雷の呼吸を使った時は”禰豆子が振り落とされるだろ!”と思いました(笑)」
・鬼頭明里さん「禰豆子をおんぶして雷の呼吸を使うところが面白かったです。”こんなところで使う!?”みたいな(笑)」
●バトルはアフレコも真剣勝負!
煉獄と猗窩座の凄まじい対決シーンは、演じた日野聡さん(煉獄役)と石田彰さん(猗窩座役)の熱量も尋常ではなかったらしく、収録現場でその様子を見ていた花江さんは「本気と本気のぶつかり合いという空気の中、自分が喋るシーンで失敗しちゃいけないというプレッシャーが凄かったです」とコメント。
また、同じようにアフレコブースの中に入っていた伊之助役の松岡禎丞さんも「いま何か音を立てたら死ぬ。ここで携帯なんか鳴ったら終わるぞ…みたいな(笑)。そんな緊張感が充満してましたね」と語っています。
さらに善逸役の下野紘さんも「自分の出番はラスト付近までなかったんですが、二人のお芝居がどうなるのか、やっぱり生で聴いていたくてブースの中に入ってたんですよ。もともとアフレコの最中は音を立てちゃいけないんですが、もう”絶対に音を立てられない!”という空気で、なんなら呼吸音すら立てちゃいけないぐらいの(笑)」と証言。
日野さんと石田さんの演技が凄すぎて、途中からはもう動けるような状態じゃなくなって、ずっと斜め下を見てました。台本のページをめくる音すら邪魔になるんじゃないかと思って、開いたままで。何のためにここにいるのか?というぐらい、本当にただただじっとしてました。「動けねぇ!」と言っていた伊之助の気持ちはこういうことか!と(笑)。
アフレコが終わってたまたま石田さんとエレベーターが一緒になったんですけど、僕はアフレコの余韻が抜けてなくて、思わず「猗窩座カッコよかったです!」と話しかけたら、若干どうしたらいいのかなって顔をされながら「ありがとう」って言ってくれました(笑)。
いや~、凄まじいバトルシーンでしたが、アフレコの収録現場ももの凄い緊張感だったようですねぇ(笑)。
●煉獄さんの最期の笑顔は…
猗窩座との死闘の果てに致命傷を負った煉獄さんは、炭治郎に自分の想いを伝えて息絶えます。しかし最期の瞬間、実に安らかな笑顔を浮かべていました。このシーンについて、演じた日野聡さんは以下のように語っています。
最期のシーンは、母の元に帰るイメージで演じていました。幼い頃に母を亡くしている煉獄にとって、母の教えや存在というものは本当に大きなものだったと思います。そして鬼殺隊として、柱としての責務を全うしてきた杏寿郎が、すべての責務から解放されて童心に帰り、恐らく当時あまり甘えられなかったであろう最愛の母に抱きしめてもらえるような…そんな想いで演じました。
うう…煉獄さん……(泣)