どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
さて、今月20日からAmazonプライムビデオにて『庵野秀明+松本人志 対談』という動画が配信されてるんですが、皆さんご存知でしょうか?
この動画はタイトル通り、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を作った庵野秀明さんと「ダウンタウン」の松本人志さんが初めて対談したドキュメンタリーです。
”意外”といえば意外な組み合わせですが、かたやアニメ業界、かたやお笑い業界で共に”天才”と称された二人ですから「一体どんな会話を交わすんだろう?」と興味が湧きますよねぇ。
ちなみに庵野さんは1960年生まれ、松本さんは1963年生まれで3歳ぐらいの年の差はあるものの、ほぼ同世代ということで子供の頃に見ていたTV番組などは割と一致しているらしい。
というわけで、本日は『庵野秀明+松本人志 対談』を観た所感などをざっくり書いてみたいと思います(以下ネタバレしているので、未見の人はご注意ください)。
まず、松本さんが開口一番「僕は初対面の人と喋るのがメチャクチャ苦手で、ましてや相手が庵野さんですから、相当まずい状況ですよね」と話しかけると、「ええ、すぐに滞ると伝えてあります」と答える庵野さん(庵野さんも人見知りが激しそうだからなぁw)。
実際、序盤は会話もぎこちなくて、お互いに距離感を探りながら話しているのが丸わかりでしたが、話題が”アニメ”になると徐々にエンジンが回り始めます。
「『マジンガーZ』の最終回で、ズタボロにやられるマジンガーZを見てエロスを感じたんですよ」と語る松本さんに「ええ、そういうのよく分かります」「僕もウルトラマンがやられている場面とかにエロスを感じました」と即答で返す庵野さん(分かるのかw)。
一方、話題が”お笑い”になると「僕、あまりお笑い番組とか見ないんです」とややトーンダウン。「奥さんがお笑い大好きなので一緒に『M-1』とか見ることもありますが、人と笑いのツボが違うらしくてあまり笑えないんですね」とのこと(ただし年末の『笑ってはいけない』シリーズは見ているらしい)。
なお、松本さんが「子供の頃に『8時だヨ!全員集合』は見てました?」と訊ねると、「裏番組の『キカイダー』や『キューティーハニー』を見ていたのでほとんど見てません」「だから月曜日に学校へ行くと友達と話が合わなくて…」とコメント。
この辺は「ああ、庵野さんらしいな」という感じで違和感がないですね(ちなみに『キューティーハニー』の前には『デビルマン』が放送されており、当時の子供たちはどっちを見るかで悩んでいた)。
そして『仮面ライダー』の話になると、ますます庵野さんのテンションがアップ!「『仮面ライダー』は最初の方の暗い雰囲気が好きでした」「2号ライダーが出て来て明るくなった話も好きなんですけど、雰囲気は旧1号ライダーの暗い感じが好きですね」と語りまくり(笑)。
松本さんが「ニセ仮面ライダーとかも凄かったですよねぇ」と問いかけると「6人しかいないのが残念でしたが、あれは面白かったですね」と答え、「今までやられた怪人たちが全員復活する展開も良かった」という話には「ただ、あっという間にやられるのが納得いかない」「なぜ再生怪人はこんなに弱いんだろう」と答える庵野さん(どんどんマニアックな話になっていくw)。
続いて話題は『ウルトラマン』へと移りました。松本さんが「もちろんウルトラマンも好きだけど、俺はどちらかと言えばウルトラセブン派なのよ」と話し始め、「特に実相寺昭雄監督と(脚本家の)金城哲夫さんがタッグを組んだ回が秀逸ですよね?」と訊ねると庵野さんも「はい」と賛同(第8話「狙われた街」のこと)。
ここで松本さんが自らの特撮知識を披露しようとしたのか「僕気付いたんですけど、”キングジョー”っていう名前は金城さんから採ったんじゃないか」と持論を述べたところ、庵野さんが「…と言われていますが、実は本編では”ペダン星人の怪ロボット”としか言ってないんですよ」「後から雑誌などでキングジョーという名前が載るようになったんです」と細かく訂正。
それを聞いて松本さんは「そうだったんですか!?」「庵野さん詳しいですね~!」と感心していました(そりゃ、特撮の知識で庵野さんにかなうわけがないw)。ちなみにキングジョーの名前の由来は「金城さん」「金城さんの父のあだ名」「戦艦のキング・ジョージ」という3つの説があるそうです。
そしていよいよ『シン・ウルトラマン』の話題になり、松本さんが「シン・ウルトラマンにはカラータイマーが無いそうですけど、”3分区切り”はもう無いってことですか?」と訊ねると、「実は『ウルトラマン』の本編では一度も制限時間が3分とは言ってないんですよ」「『帰ってきたウルトラマン』の第1話で初めて”ウルトラマンは3分しか戦えない”という設定が出てきたんです」と庵野さん。
それを聞いて、またしても「ええー!?」と松ちゃんビックリ(笑)。ちなみに、なぜカラータイマーを無くしたのかについては「ウルトラマンには元々カラータイマーが無く、後から付けたと聞いていたので本来の姿に戻したかったんです」とのこと。
さらに調子が乗ってきた庵野さんは「『ウルトラマン』で好きなエピソードはザラブ星人ですね(第18話「遊星から来た兄弟」)」「仕事で人類を滅ぼしに来たという設定が凄くいい」「ウルトラマンが”にせウルトラマン”にチョップした時、マスクの固い部分に当たって本当に痛がってるんですけど、その痛そうな動きが大好きなんです!」などマニアックな逸話を次々に披露すると松ちゃん大爆笑(笑)。
しかし、「バルタン星人と戦う時に、1回振り向いてからスペシウム光線を撃つのがいいんですよ」「あれはマスクの視界が限られていたため、指示がよく分からなくてチラッと監督の方を見たらその映像がそのまま使われたらしいのですが、ああいう”予定にはないアドリブ的な動き”が好きなんです」など細かすぎる特オタトークを続けていると、さすがの松ちゃんも呆れ顔に(たぶん「この人すげえな…」とか思ってるんだろうなぁw)。
その他、”映画作り”の話題ではお互いに苦労しているポイントを話し合ったり、庵野さんが「自分のやりたいことよりも”お客さんが喜ぶかどうか”を優先している」「出資者の意見は聞かなければならない」などと主張すると、松本さんが「真面目ですね~」と感心したり、様々な会話が繰り広げられました。
ただ、全体的な印象としては庵野さんも松本さんもお互いに気を遣っている様子が見受けられ、最後まで”突っ込んだ話”になり切れなかった気がするんですよね。特に松本さんはかなり遠慮している感じでほとんど自分のことは話さず、庵野さんの”聞き役”に回っている場面が多かったような…。
あと、松本さんのリアクション自体もいまいち噛み合ってないシーンがあったりしたので(緊張してた?)、もう少し話しやすい環境を設定していれば良かったんじゃないかな~と思いました(松本さん的には「この人の話を聞いた方が面白いな」と判断し、敢えて庵野さんに多く喋らせていたのかもしれませんが)。
というわけで、終始ギクシャクしたやり取りが続くなど若干残念な部分もあったんですけど、この二人が対談する機会は滅多にないので非常に貴重な映像であることは間違いないでしょう。とても面白かったです(^.^)