さて今日はハロウィンということで、例年なら街中では様々な仮装を楽しむ人で混雑しているはずですが、コロナ禍真っ只中の今年はいたって平穏。いつもニュースで取り上げられる渋谷にも仮装客はほとんど見当たらないようです(去年の2割程度)。
やはり、まだまだ新型コロナの影響が色濃く、予断を許さない状況が続いているからでしょうねえ。というわけで本日は、ハロウィンを自宅ですごす人向けにAmazonプライムビデオで観られる映画(プライム会員は見放題)の中から、いくつかオススメのホラー作品を取り上げてみますよ。
●『キャビン』
「バカンスを楽しむために人里離れた山小屋へやって来た若い男女が、地下室で古い書物を発見し、そこに書かれていた呪文を唱えたことから恐ろしい何かが目を覚まし…」という、完全にどこかで聞いたようなストーリーの本作ですが、観ているうちに「あれ?なんか変じゃね?」と異変に気付くでしょう。
なんと、話が進むにつれてホラー映画の定番シチュエーションが出るわ出るわ!さらに終盤からクライマックスにかけて繰り出される怒涛のサプライズは必見!『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督が脚本を書き、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースが若者の一人を演じている点もポイント高い。
●『クワイエット・プレイス』
未知の怪物によって人類のほとんどが滅ぼされた近未来。怪物は異常に優れた聴覚を持っていたため、生き残ったアボット一家は音を立てずに生活し、会話も手話で行っていた。そんなある日、隠れ家が怪物に見つかり…
「絶対に音を立ててはならない」という設定のため、ほとんどセリフなしでストーリーが進行する本作は、監督のジョン・クラシンスキーが自ら父親役を演じ、母親役を実際の奥さん(エミリー・ブラント)が(つまり夫婦役を本物の夫婦が)演じるという配役になっています。
さらに耳が不自由なリーガン役に抜擢されたミリセント・シモンズは、実際に耳が聞こえません。このように、劇中の状況を出来るだけリアルに再現しようと試みた結果、本作は全編に渡って緊張感が溢れる異色のホラーとなりました。
製作にマイケル・ベイが加わっているせいか、終盤で派手な見せ場が飛び出しますが、全体的には静かなトーンで統一されている点が特徴でしょう。
●『ハッピー・デス・デイ』
「ヒロインが謎の殺人鬼に何度も殺される」というタイム・ループ要素を加えたホラーですが、トム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』やジェイク・ギレンホール主演の『ミッション8ミニッツ』みたいに、何度も同じ日を繰り返すたびにどんどん経験値が蓄積され、その経験値を駆使して殺人鬼に立ち向かっていくというアイデアが面白い。
●『ハッピー・デス・デイU2』
『ハッピー・デス・デイ』の続編はさらに面白要素がパワーアップし、パート2でありながら視点やテイストが異なり(ホラーというよりSFコメディ?)、しかも前作の出来事を伏線としてしっかり描いているため、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』的なノリで楽しめますよ。ぜひ1と2を連続でご覧ください。
●『イット・フォローズ』
クエンティン・タランティーノが「こんなホラー映画は観たことない!」と絶賛したと言われる本作は、「エッチするとヘンなものに追いかけ回される」というストーリーだけ聞くとなんじゃそりゃ?って感じなんですが、実際に観てみると普通に怖かったです(笑)。追いかけてくる奴らがとにかく不気味で、得体の知れない怖さがあるんですよねえ。
●『ライト/オフ』
これも「電気を消すと何かヘンなものが現れる」という非常にシンプルな設定なんですが、そういう”日常に潜む恐怖”を描いたシンプルさが良かった。ちなみに、元ネタは動画投稿サイトに公開された短い映像で、凄まじい再生回数を叩き出したそうです。
●『COP CAR/コップ・カー』
2014年、あるホラー映画の予告編がYouTubeにアップされました。『クラウン』というタイトルのそのホラー映画は、実は本編が存在しない「予告編だけ」の自主制作映像だったのですが、なんとイーライ・ロス監督がそのニセ予告編を気に入り、長編映画化が決定。
予告編をアップして映画監督への切符を手に入れた男がジョン・ワッツだったのです。完成した『クラウン』は「ピエロの衣装が脱げなくなって徐々に怪物に変貌していく男」を描いた物語で、衝撃的な殺戮描写が話題となりスマッシュヒットを記録。
高評価を得たジョン・ワッツは、すぐさま2作目の『COP CAR/コップ・カー』に着手しました。「二人の少年がたまたま見つけたパトカーに乗り込んだことで、恐ろしい事件に巻き込まれていく…」という脚本を読んだケヴィン・ベーコンは大いに気に入り、なんと主演だけでなく製作総指揮まで担当する熱の入れよう。
そして2作目もヒットさせたジョン・ワッツは、3作目でついにトム・ホランド主演の『スパイダーマン:ホームカミング』、4作目で続編の『ファー・フロム・ホーム』を監督することになったのです。
それにしても、まさか2014年にYouTubeで動画を投稿していた人が、3年後の2017年に製作費1億7500万ドル(約183億円)のハリウッド超大作映画を撮ることになるとは……もの凄いスピード出世だなあw
●『遊星からの物体X』
犬の顔がパカー!っと割れたり、人間の首がグニュニュ~!っと伸びたり、特殊メイクを駆使したアナログな特撮が公開当時(1982年)は衝撃でしたが、38年後の今観てもやっぱり気持ち悪くて最高ですね(笑)。なお、同時期に『E.T.』が大ヒットしていたせいで、本作はほとんど話題にならなかったそうです、トホホ(T_T)
●『遊星からの物体X ファーストコンタクト』
そんな『遊星からの物体X』の前日譚として作られた『ファーストコンタクト』は、「2つの顔が融合した変死体」や「壁に刺さったオノ」など、前作で描かれた謎を解明していく「伏線回収」的な展開が見どころの一つ。
そして最大の見どころである”物体X”の造形は、「さすがにCGだろうな~」と思いきや、なんとアニマトロニクスや操演や着ぐるみなどアナログ特撮をベースに作られているらしい。なので、気持ち悪い感じが結構そのまま再現されています(笑)。
●『哭声/コクソン』
韓国国内で観客動員数687万人を超える大ヒットを記録した本作は、フンドシ一丁の國村隼がひたすら暴れ回る怪作です。しかし、國村隼が脚本を読んだ段階では「真っ裸で山の中を走り回る」と書いてあったらしく、それがフンドシになったわけですから「かなり改善された」と見るべきなのかもしれません。
さらに観た人の評価も様々で、一応「小さな村で起きた凄惨な殺人事件を操作していた警察官に次々と奇妙な出来事が襲い掛かり…」というストーリーはありますが、最後に全ての謎が解けてスッキリ解決するようなタイプの映画じゃないんですよね(むしろ謎だらけ)。だがそれがいい!「最後まで何だかよく分からない」という点も本作の魅力の一つだと思います。