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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ネタバレ感想

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遅ればせながら『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の感想を書いてみる。

公開前にアンソニー&ジョー・ルッソ監督が「絶対にネタバレしないでくれ!」とネット上で懇願していたため、多くの観客が自重していたようだが、劇場上映も終了したのでそろそろいいだろう。

ただ、その前に解決しておかなければならない問題が一つ。そう、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)はどれを観ればいいのか?問題」である。

MCUシリーズは過去作の内容を踏まえた上で次のストーリーを展開しているため、出来れば事前に全作品を観ていることが望ましい。

しかし、2008年の『アイアンマン』から始まったこのMCUは、最新作の『インフィニティ・ウォー』に至るまで実に18作品にも達する長大なシリーズだ。

そのため、よほどのアメコミ映画ファンでもない限り、全作品を制覇している人は多くないだろう。それを示したものが以下の興行成績グラフである。

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これを見ると『アイアンマン』や『インクレディブル・ハルク』の頃は今一つパッとしてないものの、「1」の『アベンジャーズ』で突然の大ヒットを記録!

だが、その後はまた急激に落ち込み、「2」の『アベンジャーズ2』で再び大ヒット…みたいなパターンを繰り返していることが分かる。

つまり”大ヒット”と呼べるものは1作目の『アベンジャーズ』と2作目の『エイジ・オブ・ウルトロン』、あとは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『スパイダーマン・ホームカミング』ぐらいしかないのだ。

それ以外はだいたい10億円前後をウロウロしていて、『ザ・ファースト・アベンジャー』に至っては3億円程度しか稼げていない(ちなみに同時期に公開された三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』は42億円!)。

これはすなわち、「日本の観客はソーとかハルクなどにあまり興味がなく、『アベンジャーズ』シリーズしか観ていない」ということなのではないだろうか?

僕が気になったのはまさにこの点で、「他のヒーローがどんな活躍をしているのか知らないのに、『アベンジャーズ』だけ観て楽しめるの?」ってことだ。

実際、『インフィニティ・ウォー』を批判している人の中には「キャラや設定の詳しい説明がないのでストーリーが全くわからなかった」という意見もあったようだが、「当り前だよ!」としか言いようがない。

「三部作の『パート3』からいきなり観る」とかならともかく、過去18作品の集大成的な『インフィニティ・ウォー』を予備知識なしで観てわかるわけがないだろう。

じゃあ、どれを観ればいいのか?ってことに関して(もちろん正解なんてないのだが)、僕の独断と偏見で選んでみると…

まず、最初に『アイアンマン』。この映画は全ての始まりの物語であり、『アベンジャーズ』シリーズ全般においてもかなり重要なポジションを占めているので外すわけにはいかない。

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そして『アベンジャーズ』と『ウィンター・ソルジャー』と『エイジ・オブ・ウルトロン』と『シビル・ウォー』も、後のストーリーに関わる重要なエピソードが含まれているので必須だ。

あとは『マイティ・ソー バトルロイヤル』も観ておいた方がいいだろう(なにしろ、『バトルロイヤル』のエンディングがそのまま『インフィニティ・ウォー』のオープニングに繋がっているので)。

もちろん、全作品を観るのが一番いいのは言うまでもないが、最低限この辺を抑えておけば「何が何やらさっぱりわからん」という事態は避けられると思う。


では、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の話へ。


『マイティ・ソー バトルロイヤル』のラストで、アスガルドの民と共に宇宙船に乗って旅立ったソーだが、なんと『インフィニティ・ウォー』の冒頭でいきなりボロボロにされるという衝撃的な幕開け!

圧倒的な強さを発揮するサノスの前に、あのハルクでさえあっさりやられてしまい、ヘイムダルやロキまで瞬殺だ(ヴァルキリーはどうなったんだろう?)。

アベンジャーズのメンバーの中ではかなり強いと思われるソーとハルクですら全く歯が立たない状況を目の当たりにし、オープニングから絶望的な雰囲気が漂う。

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ここでサノスはパワー・ストーンとスペース・ストーンを手に入れ、タイム・ストーンやマインド・ストーンを奪うために部下(ブラックオーダー)を地球へ向かわせた。

その後、宇宙を漂っていたソーはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーに助けられ、ロケットとグルートと一緒にニダベリアへ。スターロードは、リアリティ・ストーンがある惑星ノーウェアへガモーラたちと共に向かう。

ガーディアンズは今回アベンジャーズに初参戦で、「あのノーテンキなキャラがメンバーに加わって大丈夫なのか…?」と少々不安だったものの、意外と違和感がなかった(笑)。

噂によると、ガーディアンズのシーンだけ1作目と2作目(『リミックス』)を撮ったジェームズ・ガン監督が演出しているらしいが、「上手くトーンを合わせたなあ」と感心するしかない。

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一方、地球ではアイアンマンとドクター・ストレンジとスパイダーマンが、サノスの部下(ブラック・ドワーフ&エボニー・マウ)とタイムストーンをめぐって激しいバトルを繰り広げる。

この3人が共闘するシーンは「ついに来たか…!」という感じで、長くシリーズを観てきた人ほどテンションが上がったはず。アイアンマンとドクターのやり取りも面白かった(その後、3人は宇宙船に乗って宇宙へ)。

そして別の場所では、身を潜めていたヴィジョンとスカーレット・ウィッチの前に、マインドストーンを奪うためにコーヴァス・グレイヴとプロキシマ・ミッドナイトが出現。

ただこのシーン、ヴィジョンが明らかに弱くなってるような気がしたんだけど、気のせいかな?『エイジ・オブ・ウルトロン』と『シビル・ウォー』の時はもっと強かったような…。

しかし、苦戦しているヴィジョンたちの前に颯爽と現れ敵を蹴散らすキャプテン・アメリカの、なんたるカッコ良さ!まさに「ヒーロー見参!」って感じで大興奮。序盤で一番盛り上がったシーンは間違いなくここだろう。

その後、ヴィジョンはキャップたちと共にトニー・スタークの基地へ行き、ブルース・バナーとブラックウィドウが再会。ローディとファルコンも合流し、ヴィジョンのマインドストーンを取り除くためにワカンダへ。

ワカンダではブラック・パンサーとウィンター・ソルジャーが加わり、この辺でほぼ全てのキャラが出揃う(なお、ホークアイとアントマンは出ない)。

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一方、宇宙ではアイアンマンたちとガーディアンズが出会い、サノスを相手に苦戦を強いられ、ソーはムジョルニアに代わる新たな武器:ストームブレイカーを手に入れる。

そして、ワカンダでキャップたちが、マインドストーンを奪いに来たサノスの軍団を相手に壮絶な死闘を繰り広げる中、轟く雷鳴と共にソーが登場!ストームブレイカーを地面に叩きつけながら渾身の雄叫びを上げる!

「サノスを呼んで来い!」

このシーンは本当に痺れた。『マイティ・ソー』『ダーク・ワールド』『バトルロイヤル』と続いてきたソーの人生は、父が死に、姉が死に、弟が死に、アスガルドの民が死に、ついでに彼女にも振られるという、まさに不幸の連続だった。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、そんな逆境から再びソーが立ち上がる姿を描いた”復活の物語”でもあったのだ。

なので、普通のヒーロー物の定石ならば、この後「ラスボスが最後の重要なアイテムを手に入れる寸前に主人公たちがそれを奪って大逆転」という”お約束の展開”を予想するだろう。

だが、違った。

サノスは最後の一つ、マインドストーンをヴィジョンから奪い、6つのインフィニティ・ストーンを全て手に入れ、ソーが止める間もなく指を鳴らしてしまうのだ。

その瞬間、仲間たちの姿が消え始める。

ヴィジョン、スカーレット・ウィッチ、ブラックパンサー、ドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ウィンター・ソルジャー、ファルコン、スター・ロード…

まるで塵のように人体が崩れていく様は、『新世紀エヴァンゲリオン』旧劇場版のラストシーンの如き不気味さで、観る者すべてを絶望の淵へ叩き落としたに違いない。


「これが本当にヒーロー映画の結末なのか?」と。


そう、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の凄さとは、大作映画にありがちな「衝撃のラストシーン!」という使い古された常套句が”本当に衝撃だった”、という点なのである。

もちろん、物語はこれで終わりではない。2019年5月3日に続編となる『アベンジャーズ4』の公開が決定しているからだ。

「どうしてドクター・ストレンジはタイム・ストーンをサノスに渡してしまったのか?」「”こうするしかなかった”とはどういう意味なのか?」など、謎や疑問もいくつか残っている。

なので次回作では、生き残ったアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、ソー、ブラック・ウィドウたちに加え、今回出番のなかったホークアイやアントマン、さらにニック・フューリーが消える間際に呼び出そうとしていたキャプテン・マーベルらが一致団結してサノスを倒す…!に違いない。

なお、「死んでしまったヒーローたちはどうなるのか?」については、『アベンジャーズ4』以降も『スパイダーマン』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編が公開予定となっているので、たぶん何らかの方法で生き返るのだろう(やっぱタイム・ストーンを使うのかなあ?)。



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