どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
本日、金曜ロードSHOW!で『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』が放送されます。
ご存じ、人気シリーズの6番目のエピソードで(公開順は3番目ですが)、ついに主人公とダースベイダーとの戦いに決着がつく「旧三部作の完結編」です。
1983年の公開当時、僕はまだ子供だったんですが、母親に連れられて地元の映画館へ本作を観に行きました(当時のサブタイトルは『ジェダイの復讐』)。
その時の衝撃たるや凄まじく、広い砂漠で繰り広げられるアクションや、森の中を高速で突っ走るスピーダー・バイク、そして広大な宇宙空間を縦横無尽に飛び回る無数のスペース・シップ!
ミニチュア模型やコマ撮りアニメ、特殊メイクやオプチカル合成など、CG技術が導入される以前の「SFX」と呼ばれる特殊効果によって撮影されたそれら驚異的なビジュアルの数々に、子供だった僕は圧倒されましたねえ。
当時、日本では高倉健主演の大ヒット映画『南極物語』がほぼ同時期に上映され、さらにスティーブン・スピルバーグ監督の『E.T.』も歴代記録を塗り替えるほどの爆発的なメガヒットを記録していたため、残念ながら『ジェダイの帰還』の興行成績は第3位にとどまりました。
また、ファンの間でも(当時は)評価が少々低かったようで、特に可愛らしいイウォーク族に対しては「最新兵器で武装した帝国軍が、石や木の棒しか使えないあんな原始的な連中にやられるなんて!」などと反発が強かったらしい。
しかしながら、前2作を上回る莫大な製作費を投じて作られた本作は、帝国軍と反乱軍の戦いや、ルークとダースベイダーの関係などに全て決着をつけ、大団円の感動的なフィナーレを迎えたのです。そう考えれば、”壮大なおとぎ話”の締めくくりに相応しいエンディングだったと言えるでしょう。
というわけで本日は、『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』を観る際に知っていればさらに映画を楽しめる(かもしれない)裏話をいくつかご紹介しますよ(^_^)
●なぜハン・ソロは冷凍されたのか?
本作は、前作『帝国の逆襲』でカーボン・フリーズされたハン・ソロを救うためにレイアやルークがジャバの宮殿を訪れるシーンから始まりますが、そもそもなぜハン・ソロは冷凍されることになったのでしょう?
実は1作目が大ヒットしてキャストたちと二作目(『帝国の逆襲』)の出演契約を結ぼうとした際、マーク・ハミルやキャリー・フィッシャーはすぐにサインしたのに、ハリソン・フォードだけは難色を示し、「続編には出たくない。どうしてもと言うならギャラをもっと上げろ!」とゴネたのです。
この頃、フォードは以前よりも俳優としての地位が向上しており、仕事には不自由していませんでした。そこで一作目の数倍の金額を要求し、自分の価値をさらに高めようとしたらしい(最終的には他の出演者と同額になった)。
しかしルーカスは思いました。「三作目を作る時にもゴネられたら面倒くさいな…」と。そこで『帝国の逆襲』の脚本を書く時、「ハン・ソロを物語の流れから一旦外してしまおう」と考えたのです。そうすれば、最悪ハリソン・フォードが三作目の出演を断ったとしても「何とかなるだろう」と。
結局、プロデューサーの熱心な説得によって、フォードは三作目の出演契約書に渋々サインしたそうですが、どうやってハン・ソロを救出するかまでは考えておらず、『ジェダイの帰還』の脚本を書く際にとても苦労したそうです。
●監督は誰?
『ジェダイの帰還』の脚本が出来上がると、ルーカスは監督の選定に入りました。『帝国の逆襲』を監督したアーヴィン・カーシュナーはすでに三作目のオファーを断っていたため、新しい人を探さなければならなかったからです。
そこでルーカスが真っ先に選んだ人物が、友人のスティーブン・スピルバーグ。しかし、この案は結局実現しませんでした(理由は「アメリカ監督協会との確執では?」などと言われているが、実際はスピルバーグが『E.T.』の製作で忙しかったから)。
次に監督候補に上がったのは、『イレイザー・ヘッド』や『エレファント・マン』のデヴィッド・リンチです。実はルーカスはリンチの大ファンで、スカイウォーカー・ランチに彼を招き、自ら熱心に口説いたらしい。
ところが、ルーカスがイウォーク族のデザインを見せたとたん、突然デヴィッド・リンチは「うっ!頭が!」と謎の頭痛を訴え(笑)、その3日後、正式にオファーを断ってきたそうです(なんでやw)。
その他、デヴィッド・クローネンバーグなど実績のある一流監督が何人も候補に上がったものの、次々と断られ続け、ルーカスは「もう、いっそのこと”監督引退宣言”を取り消して自分で監督しようか?」と考えるようになりました。
そんな時、プロデューサーが見つけてきたのが、イギリス出身のリチャード・マーカンド監督です。どうしてもこの映画を監督したかったマーカンドは何度もルーカスに自分をアピールし、ようやく監督の座をゲット!
しかし、その後2年間、ジョージ・ルーカスの目の前で『スター・ウォーズ』を撮ることが、どれほど凄まじいプレッシャーになるか思い知ることになってしまいました(後にマーカスは当時の心境を「ベートーヴェンが聴いている前で第九交響曲の指揮をするようなものだ」と答えている)。
●スター・ウォーズだとバレないように…
砂漠の惑星・タトゥーインのシーンは、一作目ではチュニジアで撮影されましたが、本作ではアリゾナ州のユマ付近の砂漠がロケ地に選ばれました(スター・ウォーズ・シリーズがアメリカ国内で撮影されたのはこれが初めて)。
その際、『スター・ウォーズ』の新作であることがバレないように、『ブルー・ハーベスト:ホラー・ビヨンド・ザ・イマジネーション』というニセの映画タイトルをつけて撮影用の施設を予約したそうです。
さらに撮影現場での秘密主義も徹底され、スタッフは全員『ブルー・ハーベスト』の文字が入ったTシャツや帽子を着用し、なんとニセの台本やカチンコまで作られたという。
もちろん目的は、内容を知られないようにするためですが、むしろ「割増料金を請求されないようにしたい」という意図の方が大きかったようです(『スター・ウォーズ』の撮影と分かると、法外な施設使用料金をふっかけてくる悪質な業者がいたため)。
ちなみにこのタイトルは、ダシール・ハメットの小説『Red Harvest(レッド・ハーベスト)』(血の収穫)から付けられたらしい(『Red Harvest』は黒澤明監督の『用心棒』に影響を与えた作品であり、黒澤作品はスターウォーズに影響を与えた)。
※追記
●超デカい砂漠のセットを作って撮影
ジャバのセール・バージは3種類の方法で撮影されました。モーション・コントロール用のミニチュア、爆破用のモデル、そして実寸大のセット。セットはアリゾナ州ユマ近くにあるバター・カップ・バレーに建てられたそうです。
サルラックが生息する穴は地面を掘ったのではなく、地表から約7.5メートルの高さに土台を組み立て、そこに円錐状の砂山を設置したとのこと(元々は15メートルの予定でしたが、さすがにそれは大きすぎるので半分のサイズに変更されたらしい)。
また、空中を飛ぶサンド・スキッフは2本の頑丈な柱で本体を支え、柱とその影が映らないようにカメラアングルと撮影時間に細心の注意を払い、スキッフが宙に浮くように見せています(砂漠でロケしているように見えるけど、実は超巨大な砂山セットだった!↓)。
●イウォークたちがストライキ?
「エンドアの森」はカリフォルニア州クレセント・シティで撮影されました。イウォーク役の俳優たちはロケ現場近くの安いモーテルに宿泊していましたが、ある日、誰一人現場に来ないという異常事態が勃発!
スタッフが慌てて捜したものの、どこにも見当たりません。しかし、やがて彼らは揃って現場に到着。良く見ると全員「イウォークの復讐」と書かれたTシャツを着ていたそうです(待遇の改善を求めたストライキか?)。
というわけで、『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』に関するエピソードをいくつかご紹介しました。なお本作には他にも色んな裏話がたくさんあるので、思い出したら追記していきたいと思います(^_^)