本日、テレビでチャニング・テイタム主演のアクション映画『ホワイトハウス・ダウン』が放送されます(僕の感想はこんな感じ↓)。
本作の内容をざっくり説明すると、「ホワイトハウスが謎のテロリスト集団に占拠されて大混乱に陥る中、大統領たちを救うために主人公が活躍する」というアクション映画です。公開当時は「ホワイトハウスを舞台にしたダイ・ハード」という触れ込みで結構話題になりました。
しかし、この内容を聞いて「ん?」となった人も大勢いたんじゃないでしょうか。なぜなら、『ホワイトハウス・ダウン』の日本公開は2013年の8月ですが、その直前の6月に『エンド・オブ・ホワイトハウス』という非常に良く似た内容の映画が公開されていたからです。
ちなみに『エンド・オブ・ホワイトハウス』のストーリーは、「ホワイトハウスが北朝鮮のテロリスト集団に占拠されて大混乱に陥る中、大統領たちを救うために主人公が活躍する」という内容で、あらすじだけ聞くとほぼ一緒なんですよ(笑)。
当時、両方の映画を観た僕は『ホワイトハウス・ダウン』を観ながら、「あれ?2ヶ月前にもこういう映画を観たような気がするんだけど……デジャヴ?」などと軽く混乱。まあ、観てる時はさすがに区別できるんですが、何年か経って思い出そうとした時に、「え〜と、あのエピソードはどっちの映画だったっけ?」と記憶がゴチャ混ぜになっちゃうんですよねえ。
このように、海外では「設定やストーリーが異様に酷似した映画が、なぜか同時期に公開される」という不思議な現象が起きることがあります。理由は色々あるのでしょうが、ハリウッドでは「今観客にウケる映画は何か?」ということを常にリサーチするスタッフがいて、タイムリーなトピックがあれば即座にそのネタを使ったストーリーを複数の脚本家に書かせるというシステムを取っています。
そうなると当然、同じようなことを考える人が出てきても不思議じゃないわけで、その結果、別々の映画会社から偶然良く似た内容の企画が立ち上がってしまうのでしょう(いわゆる「ネタがかぶる」ってヤツですね)。公開時期がズレていればまだいいんですが、「2013年の”ホワイトハウスがテロリストに占拠される映画”、観た?」とか聞かれたら、「どっちだよ?」と言わざるを得ません。というわけで本日は、「内容が似すぎてて紛らわしい映画」をいくつかまとめてみましたよ。
●『ダンテズ・ピーク』と『ボルケーノ』(1997年)
どちらも「火山が噴火してエラいことになる」という災害映画です。『ダンテズ・ピーク』の方は、実際に起きた「セントヘレンズ山の噴火」をモデルにしているのに対し、『ボルケーノ』の方は「ロサンゼルスで噴火が勃発」という凄い設定になっていたのが印象的でした。
●『アルマゲドン』と『ディープ・インパクト』(1998年)
どちらも「地球に巨大隕石がぶつかりそうになったため、宇宙飛行士たちが命懸けで危険な任務に挑む」というSF映画です。『アルマゲドン』はマイケル・ベイ監督の力技的な破天荒演出が冴えまくり、『ディープ・インパクト』はミミ・レダー監督の描く繊細でドラマチックな群像劇が素晴らしかったです。正直、同じ内容でもここまで違う映画になってしまうのかと驚きました。
●『アンツ』と『バグズ・ライフ』(1998年)
どちらも「アリを擬人化したCGアニメーション映画」です。『アンツ』がドリームワークス、『バグズ・ライフ』がディズニー/ピクサーの製作で、『アンツ』の方がやや大人向けという印象でした。
●『レッドプラネット』と『ミッション・トゥ・マーズ』(2000年)
どちらも「火星を舞台にした宇宙SF映画」です。個人的にはブライアン・デ・パルマ監督の『ミッション・トゥ・マーズ』に期待してたんですけど、実際に観てみたら「なんじゃこりゃ?」と思うようなラストに幻滅しました。
●『ターナー&フーチ/すてきな相棒』と『K-9/友情に輝く星』(1988年)
どちらも「犬とコンビを組むことになった警察官」というコメディ映画です。『ターナー&フーチ』はお笑い要素が強く、『K-9』はアクション要素が強い感じですね。
●『アビス』と『リバイアサン』(1989年)
どちらも「海底の採掘基地で働く作業員たちが得体の知れない”何か”に遭遇する」という映画です。世間的には『アビス』の方が有名だと思いますが、『リバイアサン』の監督は『カサンドラ・クロス』や『ランボー/怒りの脱出』を撮ったジョージ・P・コスマトス、主演は『ロボコップ』のピーター・ウェラー、音楽は『オーメン』や『エイリアン』等のジェリー・ゴールドスミスという、非常に豪華なスタッフが揃っていて逆に意外でした。
●『地獄の変異(ザ・ケイヴ)』と『ディセント』(2005年)
どちらも「地下洞窟を探検していた主人公たちが恐ろしい化け物に襲われる」というサバイバル・ホラーです。ただ、世間の評価は圧倒的に『ディセント』の方が高いようですね。『地獄の変異』も悪くはないんですが、『ディセント』の方は「探検する6人が全員女性」という点でポイントを稼いでるんでしょう(笑)。
●『プレステージ』と『幻影師アイゼンハイム』(2006年)
どちらも「あるマジシャンのトリックを探るうちに恐ろしい真相に辿り着く」というサスペンス映画です。個人的には、『プレステージ』のラストで「そんなトリックがあっていいのか?」と悪い意味で意表を突かれてガックリきました。あれはどうなんだろう…(-_-;)
●『スノーホワイト』と『白雪姫と鏡の女王』(2012年)
どちらも「グリム童話の白雪姫を原作としたファンタジー映画」です。そりゃ一緒の内容になるわ(笑)。なお、『スノーホワイト』の魔女をシャーリーズ・セロンが演じているため、「この世で一番美しいのは白雪姫です」という鏡のセリフに説得力がなくなったように見えるのは気のせいでしょうか?どう見ても魔女の方が美人なんだけど(^_^;)
●『はやぶさ/HAYABUSA』と『はやぶさ 遥かなる帰還』と『おかえり、はやぶさ』(2011年〜2012年)
3作品とも「小惑星探査機”はやぶさ”をめぐるドラマを描いた映画」です。全部観たんですが、個人的には『はやぶさ 遥かなる帰還』が良かったです。渡辺謙、江口洋介、夏川結衣、吉岡秀隆、石橋蓮司、藤竜也、山崎努など、出演者も豪華で見応えがありました。なお、この他にも『HAYABUSA BACK TO THE EARTH』というドキュメンタリー映画も公開されているらしい。はやぶさ映画、作りすぎだろ!