どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
昨日、土曜プレミアムで『インデペンデンス・デイエクステンデッド版』が地上波初放送されました。
『インデペンデンス・デイ』といえば「宇宙から大量の異星人が攻めて来て地球がエラいこっちゃ~!」で有名なSF映画です。
一見すると非常に豪華な内容なんですが、本作を撮ったローランド・エメリッヒ監督によると「この手の超大作映画にしては予算が少なくて苦労した」とのこと。
例えば、宇宙船から発射されたビームによってニューヨークやロサンゼルスなどの大都市が大爆発&炎上するシーンを撮るためにいくらかかるのか?
その費用を試算したところ、「CGの炎を合成するだけで15万ドルもかかる」との高額な数字がはじき出されたため、プロデューサーから「カットしよう」と無慈悲な提案が…。
しかし、どうしてもカットしたくない監督は、「だったら俺が低予算で最高にカッコいい映像を撮ってやらあ!」と『スーパー食いしん坊』の主人公ばりに反発し、CGをほとんど使わない”アナログ特撮”を選択。
「大都市が炎に包まれるシーン」では、まず24分の1のミニチュアビルを大量に作り、それらを並べて幅2.4メートル・長さ6メートルの街並みの模型を制作しました。
そして、”ミニチュアの街”を垂直に立て掛け、カメラをその上方1.5メートルに設置したのです。この状態で下から爆発させると、炎は上に昇る性質があるため煙突のような効果が生まれ、街が巨大な火の波に飲み込まれるド迫力シーンが撮れたのですよ。
また、「ホワイトハウスが粉々に吹き飛ぶシーン」は、12分の1の模型を作って撮影したそうで、幅4メートルのホワイトハウスのミニチュアは素材に木を一切使わず、全て石膏で作られました(壊れやすくするため)。
そして模型の内部に爆薬をセットし、いよいよ爆破!実際の撮影はわずか数秒で終わってしまいますが、1秒に300コマという通常の12倍のスピードで撮影しているので、再生すると爆発がスローに見えます。
こういう撮影はやり直しがきかないため、現場はもの凄い緊張感が漂っていたらしい。しかし、無事に一発で狙い通りの画が撮れてスタッフは一安心。監督も「最高のショットが撮れたよ」と満足していたそうです。
一方、ミニチュア特撮ばかりではなくCGを使ったシーンもあって、クライマックスの戦闘は大量のF-18戦闘機と小型宇宙船(アタッカー)が飛び交う複雑な空中戦を描くため、フルCGのF-18を作成しました。
当初はミニチュアで撮影する予定だったものの、150機のF-18と200機以上のアタッカーの動きをミニチュアで再現することは不可能と判断。リアリティを増すために本物のF-18の写真を撮り、テクスチャーとしてCGの機体に貼り付けたそうです。
しかし、その作業量は膨大で、1つのカットを制作するのに5日以上もかかったり、たった6秒のシーンを作るのにデータ容量が52ギガバイトを超えることもあったらしい(大変ですねw)。
こうして、少ない予算の中でも創意工夫と効率的な撮影方法で斬新な映像を次々と生み出した『インデペンデンス・デイ』は世界中で大ヒット。20年後にはCGをバリバリに使った続編が作られましたが、正直なところ1作目に感じた”熱量”みたいなものが感じられず、やや残念でしたねえ。