※以下、ネタバレしているので本編を観ていない人はご注意ください!
どうも、管理人のタイプ・あ~るです。
本日、金曜ロードSHOW!で『カメラを止めるな!』が地上波初放送されます。
わずか300万円の低予算映画にもかかわらず、あまりの面白さに口コミで評判が拡散し、最終的には30億円を超える大ヒットとなったことでも知られる本作。
事前の告知では、「とある廃墟でゾンビ映画を撮影しているとスタッフたちが本物のゾンビに襲われ、その様子を37分間のワンカットで撮った和製ホラー」などと紹介していました。
しかし、実際は前半のゾンビ映画は劇中劇で、後半に「その撮影の裏側ではこんなことが起きていた」みたいな感じで種明かしをする”二段構え”の構成になっていたのですよ。
この仕掛けに「なるほど!」と感心した観客たちは、出来るだけネタバレをしないように「面白いから観て!」と知り合いにプッシュしまくり、その結果、大ヒットに至ったと。
ただ、この映画が観客の心をとらえた理由はそれだけじゃないと思うんですよね。
個人的な感覚ですが、人の心に響く映画というものは、「作り手側の状況」と「劇中のキャラクターの状況」が極めて似通っている場合が多い…ような気がします。
例えば、ボクシング映画の金字塔的名作『ロッキー』。
ご存知、シルベスター・スタローンの大出世作ですが、この映画が公開されるまでスタローンは役者として全く知られておらず、どん底の極貧生活を送っていました。
しかし、「底辺ボクサーが苦難を乗り越えてスターに成り上がる」という『ロッキー』の脚本を自ら書き上げ、自分で主役を演じたことで、スタローン自身も本物のスターになったわけです。
つまり、『ロッキー』自体はフィクションなんだけど、映画の中では「作り手側の状況」と「劇中のキャラクターの状況」が見事にシンクロしてるんですよ。
すなわち、『ロッキー』を観ている観客は主人公のロッキーを通してシルベスター・スタローンの生き様そのものを目撃をしているわけで、そこに感動が生まれたんですよね。
『カメラを止めるな!』も同じく、「少ない予算と厳しい環境の中、スタッフみんなが頑張って映画を作り上げる」という劇中の状況と実際の状況が完全に一致してるんです。
しかも「ワンカット映画の撮影中に次々とトラブルが起きる」というストーリーもそのまんま(実際に現場でアクシデントが頻発していたらしいw)。
もちろん、事前に「予算300万円」の情報が流れていたせいもあるかもしれませんが、たとえ裏話を知らなくても、映画を観ていればそれぞれのキャラクターを通じて出演者やスタッフたちの心情はしっかり伝わってくるでしょう。
だって、彼らにとってはフィクションじゃなくて”本物”だから(笑)。それこそが『カメラを止めるな!』の面白さであり、最大の魅力だと思います(^.^)