どうも、管理人のタイプ・あ〜るです
先日、以下の記事が話題になっていたので読んでみました。
NTTコムが実施したアンケート調査によると、女性客はどの映画を観るか決める際、「自分の好きな俳優やタレントが出演している」という理由で選ぶパターンが圧倒的に多いらしい(ほぼ1位を独占↓)。
一方、男性客は好きなジャンルや好きな原作の映画化、好きなシリーズの続編などを求めるパターンが多く、好きな女優さんを目当てに映画を観に行く人はほとんどいないようです。
かなり明確に意見がわかれているようですが、この差はいったいなぜなのでしょう?
映画が娯楽の王様だった昭和初期の時代は、高倉健、三船敏郎、石原裕次郎、吉永小百合、原節子、高峰秀子など、「好きな映画スターを見るために映画館へ行く」という風潮が確かにあったと思います。
当然、この頃には男女の差は見られません。「テレビが一般に普及していなかった」という事情はあったにせよ、元々「映画とはそういう娯楽(スターを見ることが目的)だった」からでしょう。
そして僕の個人的な経験で言うと、この傾向は1980年代の頃にもまだあったような気がします。当時、映画界に新規参入したばかりの角川映画は、薬師丸ひろ子や原田知世など魅力的な新人女優を次々とデビューさせており、「薬師丸ひろ子が出ているから『セーラー服と機関銃』を観に行こう!」というファンも大勢いたのですよ。
ところが90年代後半になると、『タイタニック』や『アルマゲドン』みたいな超大作映画が次々と公開され、観客の興味は「作り込まれた派手な映像」へとシフトしていきました。
97年に大ヒットした『タイタニック』の場合も、女性客が当時人気スターだったレオナルド・ディカプリオを見て歓声を上げていたのに対し、男性客は豪華絢爛かつ迫力満点の映像効果に圧倒されたのです。
もちろん「ヒロインのケイト・ウィンスレットを目当てに観に行った」という男性客もいたでしょうけど、一般的な傾向としてはNTTコムの調査結果の通りなのではないかな〜と(つまり、女性の観客は好きな俳優を見るために映画館へ行く場合が多い)。
ただ問題は、近年の日本映画がこういうデータを重視しすぎて、「女性客を呼び込むためには、女性に人気のある役者やアイドルを起用すればいいじゃん!」みたいなパターンがどんどん増えている、という点でしょう。
そのため、映画ファンの中には「邦画は女性客の好みばかりを優先するから海外で受けないんだ!」「映画の質がどんどん下がっている!」と考える人まで現れているらしい↓
まあ、この意見が合っているかどうかはともかく、多くの映画館でメンズデーが廃止されてレディースデーだけになっているのは今後の映画界のことも考えて、どうにかして欲しいなあと思いますね。